発達障害は先天的な脳の障害によるものと言われています。
CTや血液検査ではっきりするならわかりやすいのですが現時点では難しいようです。
ではどういった検査や診察を経て発達障害の診断がでるのでしょうか。
医師による行動観察、生育歴の問診、発達検査、知能検査などを経て総合的に判断されます。
息子がはじめて発達に関する検査・診察を受けたのが5歳の頃。
当時の検査内容と診察・診断結果を書いてみたいと思います。
就学前検診の頃。医師から診断を受ける際におこなったこと
5歳の夏から冬にかけて、行動観察・生育歴の問診・知能検査(WISC-IV:ウィスクラー式知能検査)をおこないました。
行動観察
息子を別室に移動させ、医師や看護師と遊びながら話をしていました。
親が一緒でなかったのでどのようなことをしたのか具体的にはわかりませんが、年齢相応の振る舞いかなども見られていたように思います。
保護者への生育歴の問診
妊娠中の経過、出産、各月齢の検診での問題の有無について。首すわり・寝返り・はいはい・歩行・言葉などに遅れはなかったか、家族や血縁のことも聞かれました。
また、発達に関して気になることが出てきたタイミングやその内容についても話をしました。
知能検査(WISC-IV:ウィスクラー式知能検査)
知能検査は色々種類がありますが、WISC-IVは、発達障害の検査で用いられることが多いものの1つ。
4つの指標「言語理解(VC)」「知覚推理(PR)」「ワーキングメモリ(WM)」「処理速度(PS)」で構成され、「全検査知能指数(FIQ)」を算出します。大まかに言うと以下のようなことを測ります。
- 言語理解:言語に関する概念などの理解
- 知的推理:非言語的なものに対する理解
- ワーキングメモリ:情報の保持・短期記憶
- 処理速度:視覚情報を処理する能力
息子は、全検査知能指数は平均でしたが各項目の得点の間に大きな差が見られました。
各項目の差が大きいというのが発達障害の特徴で、その差が大きいほど生きづらさを感じるそう。
息子は「処理速度」で低い値が出ました。
理解はできていても手が動かない、手や指先の微細運動が難しいことがストレスになっているということもわかりました。
就学前の医師の所見
- 診断名:発達にばらつきがある。
- 知的障害の有無:無
- 所見:気が散りやすい。状況の読み取りが苦手。手先を使う作業が苦手で遅れがちなどがある。
- 教育・指導する上での配慮:少人数や個別で指導をお願いします。
就学前検診の頃(5歳)の診断名は「発達にばらつきがある」でした。
診察を受けた医師が、安易に診断名をつけたくないという思いの強い方でした。成長と環境で状況は変わっていくから経過を見ていきましょうと言われたことを覚えています。
その後、小学1年生になり別のクリニックを受診した際には問診と行動観察、学校での状況の報告であっさりと「ADHD」という診断結果になりました。親から見てもその見立ては正しいと思いますが、正直医師によって随分対応が違うのだなという印象です。
発達障害についての検査・診断を受けることについて
WISC-IVの検査と結果報告は臨床心理士などの専門の知識と資格を持った方が行います。
検査結果の最後に、所見を書いてくれるのですが、3年経った今、検査結果を見返すとこの3年苦労してきたことを予言するような内容が書かれていました。
例えばこんなことです。
手や指先の微細運動、身体全体の姿勢保持などの粗大運動を生活の中で練習しましょう。
入学後の学習習得に影響があるので、市販ドリルなどを使ってコツコツと練習していきましょう。
発達障害の検査・診察は診断がつくかつかないかは実は重要ではなく、言葉にでてこない子供の困難を見つけることができるチャンスだと思います。
私たちはそのチャンスをもらいながらも「今まで文字もまともに書かせたことなかったし、入学したらなんとかなるでしょう」と軽く見てしまったのですが…。
もし検査・診察を受けようか迷っている方がいたら、ぜひ早めに、できることなら就学前の年中〜年長のはじめまでに受けてみることをおすすめします。事前に対策ができる時間は長いほど良いと思いますので。
(WISC-IVは一度受けると2〜3年間隔をあけることが望ましいとされるので、時期は医師とご相談を)